株式会社大島造船所は、経済産業省による「GXサプライチェーン構築支援事業」に、浮体式洋上風力発電所向けの「浮体基礎の高速量産に向けた設備投資」を提案し、採択されました。「GXサプライチェーン構築支援事業」は、2050年のカーボンニュートラル実現及び国際競争力強化に繋げるため、GX分野の国内製造サプライチェーンの構築支援を目的としています。
香焼工場は、600トン級・1200トン級の大型クレーンや鋼材加工ライン等による大型鋼製構造物の加工・組立設備に加え、世界最大級の幅100m・長さ1,000mのドライドックを有しており、これらの設備と造船事業で培った量産製造ノウハウとを活用することで、浮体基礎のモジュール製造から完成品の組立までを一気通貫で施工、高速量産する体制を構築します。現存する15MW級の浮体基礎デザインの多くは香焼工場にて製造・組立が可能ですが、この規模の大型鋼性構造物を連続量産できる製造拠点は世界的にも希少です。
本事業により、香焼工場での浮体基礎製造能力を2029年までに年間30基まで増強します。更に、2030年以降の野心的な目標として、国内市場シェア30%以上までの拡大も視野に、更なる製造能力の増強も検討します。国内市場が成熟するまでの期間においては、海外市場の初期案件への浮体基礎モジュールの輸出による参画も目指します。
当社は浮体基礎製造への参画に向けて、国内外の複数の関係事業者と実商談を見据えた製造検討に着手しております。今後、浮体式洋上風力発電の導入拡大、ひいては社会全体の脱炭素化・カーボンニュートラルの実現に貢献すべく、関係各社との連携を一層強化し、国際競争力のあるトップランナーを目指して参ります。