大島造船所物語
Oshima Shipyard Story

明るく、強く、面白く。
地域と共に歩んできた大島造船所の物語。

将来に備えて(1) – 外国人活用

造船業は、建設・土木業界と同様に、所謂3K(きつい・汚い・危険)職場と言われており、今後の労働力確保が課題になると推測されている。
このような情勢から、大島造船所も労働力問題の検討を重ねた結果、外国人活用としては、平成2年(1990)11月に長崎県の紹介で、中国福建省の研修生11名を受け入れたのが始まりである。3年以降、中国の上海・天津地区の造船所と友好協定を締結し、4年に天津新港造船所から第1陣が大島の地を踏んだ。これ以降、中国各地区の造船所からの研修生は増えていき、6年4月に52人、17年(2005)4月には109人となった。

研修生の安定的な確保のために、ベトナムからも平成15年(2003)12月2日にテストケースとして6名の研修生を1年間受け入れた。その後、ベトナムからは、途絶えていたが、大島造船所とベトナム国LOD社と合弁会社、大越技術有限会社を立ち上げ、18年(2006)12月1日、12名を受け入れて、徐徐に増員してきた。

その間、入管法改正により、それまで研修生として1年間の在留期間だったものが、名称は技能実習生となり、1年間を研修生、その後2年間を実習生として、合わせて3年間の在留期間になった。平成16年(2004)8月受け入れの中国実習生「吉林1陣」からはこれを適用した技能実習生である。
更に、平成21年(2009)の入管法改正により、3年間の在留期間のうち1ヶ月間の講習期間を除いて、2年11ヶ月を労働可能な実習生として受け入れる事が出来るようになり、22年7月のベトナム技能実習生大越4陣からこの方式による受け入れを始めた。

また、外国人労働者400人体制という計画に基づき、宿舎不足を解決するため、それまで艤装員や外国人研修生の宿舎として利用してきた「南町寮」を解体し、跡地に外国人実習生専用の「さくら寮」(4階建て143名収容)を建設して、平成16年(2004)11月7日より入寮を始めた。続いて近くの青雲学舎隣接地(余暇グラウンド)にも、外国人実習生用「うめ寮」(5階建て143名収容)を建設し、18年11月19日より入寮を開始した。

このように受け入れ体制も整い、平成20年(2008)4月1日には、中国から334名+ベトナムから22名、合計356名を受入れていた。
しかし、中国国内の賃金上昇などの事情もあって、中国人実習生が減っていき、ベトナムへと重点を移していくことになる。29年(2017)3月31日時点では中国15名、ベトナム249名、合計264名が在籍している。

現在、東日本大震災の復興事業、東京オリンピックの建設工事で、労働者不足が顕在化している。造船労働者確保の観点から、建設業に続き、外国人材の活用促進に係る緊急かつ時限的な措置を造船業でも講ずることが閣議決定され(平成26年(2014)6月24日)、「外国人造船就労者受入事業」に関する告示が国土交通省から公示された。
大島造船所は受け入れに必要な「適正監理計画認定」の申請を行い、27年2月26日付けで国交省より認定を受けた。受け入れ期間は2年または3年である。
これにより、27年5月14日に外国人就労者1陣(15名)を受け入れ、29年3月31日時点で81名の就労者が大島に在籍している。全員、ベトナム実習生3年満了者で大島卒業者のみならず、横須賀、広島地区など他造船所経験者が半数以上であり、社員、在籍実習生にも良い刺激となっている。

また、「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」が平成28年(2016)11月28日に公布され、技能実習生の在留期間が3年から5年へ延長される事になった。新制度施行が平成29年(2017)11月1日となっており、大島造船所も技能工の人員計画に基づいて、受け入れを予定している。
今後も大島造船所建造体制を維持するためには、労働力確保が日本人だけでは難しくなっている現状を踏まえ、一定数の外国人実習生、即戦力となる外国人就労者を継続して受け入れていく必要がある。

将来に備えて(1) - 外国人活用