大島造船所物語
Oshima Shipyard Story

明るく、強く、面白く。
地域と共に歩んできた大島造船所の物語。

世界一のバルク多数隻建造を目指して – ゴライアスクレーンの増設

世界一のバルク多数隻建造を目指して - ゴライアスクレーンの増設

創業以来、ドックの300tゴライアスクレーン(GC)2基体制で年間30隻(換算44隻(注1))まで建造隻数を上げてきた。これ以上の増産は、総組ブロックの大型化が必要であるが、300tGC2基の吊り上げ能力から、それも限界に達してきた。そこで、平成20年(2008)6月10日に1200tGCを1基増設し、総組ブロックの大型化に対応できるようにした。これにより、既存の300tGCと1200tGCによる相吊りで1000tを越える船首構造一体総組が可能となり、さらに建造スピードが向上し、増産を進めることができた。その結果、平成23年(2011)には35隻(換算51隻)を建造した。

しかしながら、300tGCと1200tGCの相吊りは2基の吊り上げ荷重の差が大きすぎ安全面で不安があることと、大型船では船首構造一体総組が重量オーバーになるなどの問題があり、クレーン能力を最大限に活かすため平成26年(2014)12月13日に1200tGCをもう1基増設した。これによりハンディサイズから大型石炭船まで同じ総組要領での建造体制となり、27年(2015)には38隻(換算56隻)、更にその先の44隻建造体制の基盤が整った。大島は、一つのドックに1200tGC2基、300tGC2基を持つ、世界でも稀有な建造能力を有する造船所となった。ドック渠頭の延長線上の造船所対岸からは、4基のGCを真正面から見ることができる。それらは、門型のクレーンの中に各々遠方の門型クレーンを収めている面白い構図となっている。

今後の増産体制構築のためには、GCの股下に入る総組定盤の拡張に加え、管内作工場の能力増強を図る必要があるため、平成26年(2014)11月5日に旧大島鋼板加工の工場を管内作工場に転用するとともに隣接地にも新しく管内作工場を増築した。そして総組定盤拡張用地とするため旧管内作工場は解体整地するとともにGCのレール延長工事を実施した。
なお、このような工事と同時に、内業及び塗装の能力増強も実施した。切断工場では平成22年(2010)8月17日に第2水切りクレーンを増設し、24年(2012)2月29日に鋼板ショットブラスト工場を新設した。塗装工場は21年(2009)12月28日に4室・27年(2015)9月9日に2室の増設を行い合計23室に、ブラスト工場は同年1月31日に1室増設して合計5室となった。

大島が単独で生き残るためには、国際競争力を持たねばならない。そのためには、平成37年(2025)までに、44隻(換算66隻)建造体制を整え、更なる生産の整流化、効率化を進め、競合他社に負けない体制をつくる必要がある。また、増産に当たっては、固定費を抑え込むことも要件の一つである。まずは第一段階40隻(換算60隻)の建造体制が整った。次は第二段階の44隻建造体制である。

注1:525BC換算隻数。5.25万dwtのバルクキャリアの工事量に換算した隻数。