大島造船所物語
Oshima Shipyard Story

明るく、強く、面白く。
地域と共に歩んできた大島造船所の物語。

息つく間もないコストダウン運動 – Z旗再掲揚と省三運動・CD運動

息つく間もないコストダウン運動 - Z旗再掲揚と省三運動・CD運動

息つく間もないコストダウン運動 - Z旗再掲揚と省三運動・CD運動

最初のZ旗は、平成6年(1994)1月6日に掲げられた。これは、日露戦争の日本海海戦で連合艦隊旗艦「三笠」のマストに掲げられたZ旗にあやかったものである。南尚社長が1ドル80円割れという急激な円高を予測して非常事態宣言を発し、この旗の下、大島造船所を大胆に変革する3B運動を推進する。3Bとは、Brave Brilliant & Big Innovationの略称で、「強く 明るく 全てを変革」という意味である。翌7年4月に79.75円という超円高に見舞われるものの8年までの3年間の苦しい期間を何とか凌ぐことができた。

この間の運動で生産性が格段に向上し、連続建造の隻数を増やす礎が固まったので、今後の発展を期すために、平成9年1月6日、Z旗を降納し、A旗(エースフラッグ)を掲揚した。これにはZから先頭のAに心新たに挑戦していく気持ちが込められている。降納したZ旗は社長の手元で大事に保管され、「いざという時」には、何時でも出動できるよう出番を待っているが、社員は「俺たちが頑張るけん、この旗の出番はなか」と言っていた。

それ以来、従業員は本館前の掲揚ポールにA旗が翻るのを見て仕事に励んできたが、平成20年(2008)にまた、Z旗を掲げるような事態となった。同年5月、鉄鉱石・石炭の価格急騰を理由に鉄鋼メーカーが鋼材価格の大幅値上げを通告する。発展途上国の急激な経済発展で資源需要が高まってきていた。これがいわゆる「鋼材ショック」とも呼ばれ、コストの約7割を占める資材の値上げは、造船所にとっては、大変な危機的状況となる。

このような状況下で、コストアップを吸収するために、平成20年(2008)9月2日、A旗を降納し、Z旗を再び掲揚して省力・省エネ・省資源の「省三運動」を展開していくことになった。「出番がなか」と言っていたこの旗の出番がまた、廻ってきたのである。
ところが、その直後の9月15日、アメリカでサブプライムローン破綻に起因するリーマンショックが起こり、世界経済は一挙に縮小し、大不況に突入する。このため、高騰した資源価格が元に戻り、「鋼材ショック」は収まった。

しかし一息つく間もなく、海運マーケットが大きく落ち込んで船価が下落した。そこで平成21年(2009)2月、25年(2013)度船の25%コストダウン(CD25)を提示するが、それでも足りず11月にコストダウン5%を上積みし、CD30を設定する。24年(2012)7月にはマーケット悪化が更に進み、コストダウン15%を追加し、CD30More15の新目標を設定した。資源価格高騰の次はマーケット悪化と全社挙げての誠に厳しいコストダウンへの闘いが続いていくのである。

息つく間もないコストダウン運動 - Z旗再掲揚と省三運動・CD運動

息つく間もないコストダウン運動 - Z旗再掲揚と省三運動・CD運動