大島造船所物語
Oshima Shipyard Story

明るく、強く、面白く。
地域と共に歩んできた大島造船所の物語。

時空を超えて – 社内LAN・WANの構築

3B運動の提言書には、社内情報システムに関して次のように謳われている。
「この業務を何故行うのか」という視点から業務プロセスを根本から見直し、最新の情報技術(IT)を利用して目的に適う最適のプロセスを構築しなければならない。
この提言に沿い、情報戦略策定委員会が発足し、平成6年9月から活動を始めた。情報戦略策定委員会は、Information Strategyの頭文字ISを取ってIS委員会と称した。
長期的視野にたった情報システムの方向性の策定という観点で、全社的な情報戦略の基本方針を次のように定めた。
①ネットワーク化の推進
②ハード、ソフト環境の整備
③全体最適に適う情報システムの導入

ネットワーク化の推進の趣旨は、
①会社の業務は、各部門毎に行われているために、会社全体の利益より部門の利益が優先される傾向にある。このような部分最適の行動を、全体を優先する全体最適の行動に変換する必要がある。
②ネットワーク化された環境のもとでは、情報共有とコミュニケーションが進み、情報が部門内だけではなく、部門を超えて流れる。また、業務プロセスを、部門の枠を超えて根本から構築し直すことができる。いずれも全体最適化への環境を整えることになる。
というものであった。

このような方針の下、ホストコンピュータに替わって、パソコン同士が有機的に結合し合い、いろいろな機能を利用し合うネットワークを構築することにした。
そのためにはハード、ソフト両面の環境整備をする必要がある。
そこでハードについては、社内LAN(Local Area Network)・WAN(Wide Area Network)の構築を図った。先ず、大島の工場内のネットワークであるLANを6年11月に立ち上げ、7年8月には、東京・大阪・大島を含めたネットワーク、WANを構築した。これにより、全社的な専用線によるネットワーク網が完成した。

ソフトについては、標準化と電子メールが喫緊の課題だった。当時、基本ソフト、ワープロ、表計算ソフトが標準化されていなかったため、インプットの重複作業をしたり、情報を共有化できない等の問題が、間接業務効率化の阻害要因となっていた。
まず、基本ソフトをウィンドウズに、ワープロ・表計算ソフトをワード・エクセルに統一し、パソコンの全利用者に教育を行った。電子メールもロータスに統一し、6年11月から利用を開始した。

8年5月には、音声とデータを統合した専用線による多重方式の全社ネットワークを導入し、LAN・WANを再構築する。同時に、パソコンを補充して、間接社員全員と班長をネットワーク化した。その後も工場内光ファイバーLAN、回線高速化、インターネット環境の整備など利用環境の改善を進めた。

電子メール以外にも、グループウエアという協同作業を支援するソフトを導入し、電子会議、スケジュール管理、決済業務、旅費精算、文書管理、予約管理などを行っている。
また、大島・東京・大阪3場所間のテレビ会議システムも導入した。
協同作業はコラボレーションと言われ、マスコミでも盛んに取り上げられている。これらのIT環境は先進企業と同様、他に先行して整備され、時間・空間・組織階層、部門を超えた利用によって、間接業務の効率化、全体最適化に貢献している。

ネットワーク化により、情報伝達は障壁が低くなり、スピードが上がり、たいへん便利になった。階層の天井、部門の壁をそれ程、意識しなくてよいようになった。社長へ自己の考えを伝える者も出てきた。
一方、隣の席の社員への伝達に、口頭ではなく、わざわざ、電子メールを使うという現象も現れてきた。情報伝達は面談、電話、電子メール、レター等状況に応じ、最適の手段を使うようにしたいものだ。

時空を超えて - 社内LAN・WANの構築